ドライヤー選びは「乾かす・セット・続けやすさ」の3点で決める
風呂上がりにタオルで拭いて、あとは自然に乾かす。短髪だとそれで済ませてしまいがちですが、翌朝に限って前髪が割れていたり、後頭部だけ跳ねていたりします。つまり、髪型が決まらない原因が、整髪料ではなく乾かし方にあることは珍しくありません。そこでこの章では、商品を見る前に自分の条件を整理します。
なお、男性向けと書かれた機種を選ぶ必要はありません。というのも、ドライヤーに男女で別の仕組みがあるわけではなく、違いは風量や重さ、モードといった仕様だからです。したがって、見るべきは表示ではなく、自分の髪と生活に合うかどうかになります。
短髪でもドライヤーを使う意味はある
短髪だと乾くのが速いため、使わない人も少なくありません。ただし、ドライヤーは乾かすためだけの道具ではなく、髪型の土台を作る道具でもあります。具体的には、根元の向きを決め、寝ぐせを伸ばし、翌朝の再現性を上げる工程です。
もちろん、自然乾燥が必ず悪いとは言えません。ただ、根元が寝たまま乾くと、朝にどれだけ整髪料を足しても立ち上がりにくくなります。そのため、セットが決まらない人ほど、乾かす段階から見直す価値があります。
髪・セット・暮らしの3軸をチェックする
次に、自分の条件を3つの軸で書き出します。というのも、機能の要不要は髪だけでは決まらず、使う時間帯や置き場所にも左右されるからです。先に不要な機能を落とすと、候補が一気に減ります。
- 髪……長さは短髪かミディアム以上か、毛量は多いか少ないか、くせ・パーマ・カラーがあるか
- セット……トップを立てたいか、前髪を流したいか、サイドを抑えたいか、乾かすだけでよいか
- 暮らし……予算、夜に使うか、収納の余裕、毎日持つ重さ、海外で使うか
この3軸のうち、いま不満があるのはどれかを一つだけ選んでください。すべてを満たそうとすると、価格だけが上がっていきます。
4タイプのどれを優先するか一つ決める
そのうえで、3軸の答えを次の4タイプに振り分けます。つまり、後の商品比較を「全部を見る」から「自分の行を見る」に変えるための整理です。優先は一つだけ決めるのが要点になります。
| タイプ | こんな人 | 商品で見るところ |
|---|---|---|
| 速乾優先 | 毛量が多い、乾くまでが長い | 風量と風圧、ノズルの形 |
| セット優先 | トップを立てたい、前髪を流したい | 冷風、風の向きを変えやすいか |
| 軽さ・静音優先 | 腕が疲れる、夜に使う | 重さの表記、音、折りたたみ |
| 温度・ケア優先 | カラーやパーマをしている | 低温モードの温度、温度の切り替え |
4つ全部を満たす必要はない
速乾と軽さ、温度制御をすべて求めると、価格帯が一気に上がります。まずは今いちばん不満な一つを解消できる機種を選び、足りなければ次の買い替えで足すほうが、無駄になりません。
風量の数字だけでは決めない|確認したい5つの点
タイプが決まったら、次は仕様の見方です。ここで最も誤解を生むのが風量の数字で、実はメーカーごとに測り方が違います。そのため、単位が同じでも、数字をそのまま横に並べて比べることはできません。
たとえばテスコムのTD760Aは、公式にJIS規格で0.8m³/分、自社基準で4.1m³/分と併記しています(出典:テスコム)。つまり、同じ1台でも基準が違えば5倍ほど数字が変わるということです。数字を比べる前に、それがJIS規格の値か自社基準の値かを確かめてください。
速乾は風量・風圧・ノズルをまとめて見る
速く乾かしたい人は、風量の数字だけを追わないほうが確実です。というのも、実際の乾き方は風の強さに加えて、毛束をほぐせるかどうかにも左右されるからです。風の当てやすさも速さのうちだと考えてください。
また、毛量が多い人ほどノズルの効き方が変わります。同じ風量でも、髪の内側に風が入らなければ乾く時間は短くなりません。そこで、根元に風を通せる形かどうかを見ておくと失敗が減ります。
冷風と温度調節はセットのしやすさで選ぶ
一方、セットを優先する人は冷風の有無を見てください。温風で形を作ったあとに冷風を当てると、その形のまま固まりやすくなります。冷風は仕上げの工程で効いてきます。
くせやパーマ、カラーがある場合は、低温のモードも選択肢に入ります。たとえばパナソニックのイオニティ EH-NE7Nは温風が約90℃、低温ケアモードが約65℃と公式に示されています(出典:パナソニック)。ただし、低温にすれば髪が傷まないという意味ではなく、温度を選べるという話です。
重さ・音・収納・吸込口は毎日の負担を左右する
最後に、毎日使う道具としての条件です。重さの表記は、コードやノズルを含むかどうかでメーカーごとに違います。何を含んだ重さかまで見ておくと、届いてからの印象がずれません。
あわせて、夜に使うなら音、置き場所が狭いなら折りたたみ、長く使うなら吸込口の掃除しやすさも効いてきます。毎日触る部分の使い勝手は、スペック表の数字より満足度を左右します。
基準の違う数字を並べて比べない
JIS規格で0.8m³/分と示される機種と、自社測定で2.3m³/分と示される機種を並べて「こちらが速い」と判断することはできません。測り方が違うためです。また、基準を書いていないメーカーもあります。比べるなら、同じ基準どうしか、実際に使った人の感想を手がかりにしてください。
メンズにおすすめのドライヤー5選を目的別に比較
ここからは5台を、4タイプのどれに向くかで並べます。なお、順位は付けません。というのも、優先する条件が違えば選ぶ1台も変わるからです。価格は2026年8月時点で、オープン価格の機種は販売店によって実売が変わります。
| 商品 | 価格 | 重さ | 風量(測定基準) | 向くタイプ |
|---|---|---|---|---|
| SALONIA スピーディーイオンドライヤー | 5,918円 | 約468g | 2.3m³/分(自社測定) | 速乾・軽さ |
| Panasonic イオニティ EH-NE7N | オープン価格 | 約550g | 1.6m³/分(メーカー公表値) | 速乾・温度 |
| TESCOM マイナスイオン ヘアドライヤー TD760A | オープン価格 | 約450g | 0.8m³/分(JIS規格) | 軽さ・静音 |
| Panasonic ナノケア EH-NA0K | メーカー指定価格 | 約550g | 1.6m³/分(メーカー公表値) | 温度・ケア |
| ReFa リファビューテック ドライヤースマート ダブル | 40,000円 | 約520g | 1.0m³/分(HIGH時) | 温度・持ち運び |
5千円台で速乾と収納性を求めるならSALONIA
まず、予算を抑えたい人にはSALONIAのスピーディーイオンドライヤーが候補になります。公式価格は5,918円で、重さは約468g、折りたたんで収納できます。SETモードを備えた5千円台という点が、最初の1台に選ばれる理由です。
ただし、公式の2.3m³/分は自社測定の値です。また「ドライ時間30%短縮」という表示も、自社の旧製品SL-007との比較にもとづく自社調べです(出典:SALONIA)。測り方の違う数字と並べて速さを判断しないでください。
速乾と軽さのバランスならPanasonicとTESCOM
次に、1万円前後で選ぶならこの2台が比較しやすい組み合わせです。パナソニックのイオニティ EH-NE7Nは吹出口風量1.6m³/分(メーカー公表値)、約550g、温風約90℃で低温ケアモードが約65℃です(出典:パナソニック)。温度を落として使えるため、乾かしすぎが気になる人にも向きます。
一方、テスコムのTD760Aは本体約450gと、この5台でいちばん軽い機種です。COOLとAUTOを含むモードがあり、吸込口を掃除しやすい構造でもあります(出典:テスコム)。腕が疲れて途中でやめてしまう人には、軽さがそのまま続けやすさになります。どちらもオープン価格なので、実売は購入時に確かめてください。
温度制御や持ち運びに投資するならナノケアとReFa
これに対して、3万円以上の価格帯では機能の方向が変わります。パナソニックのナノケア EH-NA0Kは風量1.6m³/分(メーカー公表値)、約550g、温風約95℃でスカルプモードが約60℃です(出典:パナソニック)。用途ごとにモードを切り替えられるのが、この価格帯の特徴になります。
また、ReFaのリファビューテック ドライヤースマート ダブルは40,000円で、約520g(電源コード含む)、折りたためて海外にも対応します。風量は約1.0m³/分(HIGH時)と公式に示されています(出典:MTG)。出張や旅行が多く、行き先でも同じ仕上がりにしたい人には意味のある機能です。逆に、家でしか使わないなら海外対応の価値は出ません。なお、公式通販は確認時点で欠品中だったため、取扱店の在庫も見てください。
15A以上のコンセントを単独で使う
ナノケア EH-NA0Kは、定格15A以上のコンセントを単独で使うよう公式の仕様に注意書きがあります。ドライヤーは消費電力が大きいため、たこ足配線や他の家電との併用は避けてください。使用前に、お使いの機種の説明書も確認しましょう。
5千円台・1万円前後・3万円以上で何が変わる?
ここまで見ると、価格の差が何に使われているかが気になるはずです。ただし、高いほど速く乾くとは限りません。というのも、上の価格帯で増えるのは風量より、温度の細かい制御や軽量化、海外対応だからです。
| 価格帯 | 主に払っているもの | 省いてよい人 |
|---|---|---|
| 5千円台 | 乾かす・冷温切替・折りたたみ | —(最初の1台に向く) |
| 1万円前後 | 軽さ、モードの数、掃除のしやすさ | 乾かすだけで不満がない人 |
| 3万円以上 | 細かい温度制御、海外対応 | 家でしか使わない人 |
5千円台は基本機能と収納性を優先する
まず、5千円台でも乾かす、温風と冷風を切り替える、折りたたむという基本はそろいます。したがって、初めての1台や買い替えの入り口としては十分です。足りないと感じてから足す進め方でかまいません。
なお、この価格帯では風量の表記が自社基準のことがあります。数字の大きさより、実際に使って乾く時間が短くなるかで判断してください。
1万円前後は軽さ・モード・掃除のしやすさを見る
一方、1万円前後になると、重さやモードの数、手入れのしやすさで差が出ます。つまり、乾く速さより毎日の負担を減らす方向に費用が乗ります。使う時間帯と腕の疲れを基準にすると選びやすくなります。
ただし、この価格帯はオープン価格の機種が多く、実売が動きます。同じ型番でも販売店やタイミングで価格が変わるので、購入直前に確かめてください。
3万円以上は温度制御や海外対応を使う人向け
そのうえで、3万円以上を検討するなら、増える機能を実際に使うかを考えます。たとえば、カラーやパーマをしていて温度を落として使いたい、出張が多く行き先でも使いたい、といった理由です。使わない機能には払わないという判断も必要になります。
逆に、家でしか使わず、乾かす時間にも不満がないなら、この価格帯に上げる必要はありません。高い機種が全員にとって良いわけではなく、条件が合う人にとって良いだけです。
ドライヤーで髪型を整える基本の手順
機種を選んだだけでは、髪型は決まりません。実際、同じドライヤーでも当てる順番と向きで仕上がりは変わります。そこで、風呂上がりから整髪料までの流れを、順番どおりに整理しておきます。
- まず、タオルで水分を取る。こすらず、押さえるようにする
- 次に、根元から乾かす。風を一点に当て続けない
- そのうえで、トップ・前髪・サイドで風の向きを変える
- ほぼ乾いたら、冷風を当てて形を落ち着かせる
- 最後に、整髪料で仕上げる
まずタオルで水分を取り、根元から乾かす
最初にすべきは、タオルで水分を減らすことです。というのも、濡れたまま風を当てる時間が長いほど、乾かす時間も伸びるからです。こすらず押さえて拭くと、髪への摩擦を抑えられます。
そのうえで、根元から乾かします。毛先だけが乾いても、根元が濡れていれば髪型は決まりません。なお、乾かす前のパサつきが気になる人は、メンズ ヘアオイルの選び方もあわせて確認してください。つけすぎると重くなるので、量は控えめから試します。
トップ・前髪・サイドは風の向きを変える
次に、場所ごとに風の向きを変えます。つまり、立ち上げたいのか、流したいのか、抑えたいのかで当て方が違うということです。作りたい形と逆から風を当てるのが基本になります。
| 場所 | 作りたい形 | 風の向き |
|---|---|---|
| トップ | 立ち上げる | 根元を起こしながら下から当てる |
| 前髪 | 流す | 流したい向きと逆から当ててから戻す |
| サイド | 抑える | 上から下へ、頭に沿わせて当てる |
割れやすい前髪ほど、いったん逆から乾かすと素直に流れます。そのため、根元が乾いてから毛先を整える順番を守ってください。
冷風で形を整えてから整髪料を使う
ほぼ乾いたら、最後に冷風を当てます。というのも、温風で作った形は、冷えるときに落ち着くからです。冷風は形を決める工程だと考えてください。
そのうえで整髪料に移ります。仕上がり別の選び方はメンズワックスの選び方、作った形を保ちたい場合はメンズヘアスプレーの選び方が参考になります。乾かし方まで含めた全体の流れは、あわせてメンズヘアセットの基本で確認できます。
買った後の「合わない」を1週間で見極める
選び方を尽くしても、使ってみて合わないことはあります。ただし、その原因が機種にあるのか使い方にあるのかは、すぐには分かりません。そこで、同じ条件で1週間だけ記録してみてください。
毎日同じ6項目を確認する
まず、記録する項目を決めます。というのも、日によって見る点が変わると比べられないからです。同じ6項目を毎日、○△×で残すだけで十分です。
- 乾くまでの時間は短くなったか
- 途中で腕が疲れないか
- 夜に使える音か
- 翌朝の髪型は再現できたか
- 置き場所に収まるか
- 吸込口を掃除しやすいか
1週間そろえば、不満が毎日出ているのか、たまたまの日があるだけなのかが見えてきます。
性能不足と使い方の問題を切り分ける
そのうえで、不満が続く項目について使い方を変えてみます。たとえば、乾くのが遅いならノズルを外す、風の向きを根元に変える、モードを切り替えるといった具合です。変えるのは一度に一つにすると、何が効いたか分かります。
一方、いくつか試しても変わらないなら、その機種と条件が合っていない可能性があります。使い方で解決できるかを先に確かめると、買い替えの判断に迷いません。
返品条件と保証は購入前に確認する
なお、判断がついたときに動けるかどうかは、買う前に決まります。開封後や使用後に返品できるかは、販売店ごとに条件が違うためです。購入前に条件を見ておくと、後から慌てずに済みます。
また、保証書と購入日の記録も残しておいてください。期間内かどうかで、修理と買い替えのどちらを選ぶかが変わります。
メンズドライヤーのよくある質問
短髪でもドライヤーは使ったほうがいいですか?
髪型を作りたいなら、使うほうが近道です。というのも、短髪でも根元が寝たまま乾くと、朝にトップが立ち上がりにくくなるからです。乾かす時間そのものは短くて済むので、根元に風を通し、最後に冷風で落ち着かせるだけでも変わります。ただし、自然乾燥が必ず悪いというわけではありません。セットが決まらない日が続くなら、乾かし方から見直してみてください。
風量は何m³/分あれば十分ですか?
数字だけで決めないほうが確実です。というのも、風量の測り方はメーカーによって違い、同じ製品でもJIS規格で0.8m³/分、自社基準で4.1m³/分と併記される例があるからです(出典:テスコム)。そのため、基準の違う数字を並べても比較になりません。同じ基準どうしで比べるか、毛量や乾く時間といった自分の実感を手がかりにしてください。
くせ毛やパーマには高いドライヤーが必要ですか?
必ずしも必要ではありません。ただし、温度を落として使える機種は選択肢に入ります。たとえば低温のモードがある機種なら、乾かしすぎが気になる場面で切り替えられます。もっとも、低温にすれば傷まないという意味ではなく、温度を選べるということです。まずは風の当て方と乾かす時間を見直し、それでも気になるなら温度調節のある機種を検討してください。
冷風はヘアセットでどう使いますか?
温風で形を作ったあと、最後の仕上げに使います。髪は冷えるときに形が落ち着くため、立ち上げたトップや流した前髪に冷風を当てると、その状態を保ちやすくなります。逆に、濡れた状態から冷風だけで乾かそうとすると時間がかかります。ほぼ乾いてから数秒当てる、という順番を守ってください。そのあとに整髪料を使うと、形が崩れにくくなります。
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